★昭和25年(1950)の鹿児島の物価2019年03月22日 22:07:28

姶良市南宮島公園の桜
▲以下は見た資料にあった金銭出納帳から選んだもの。戦後5年、物資は不足し、米も強制的に供出をさせられていた時代だった。記録者の陸軍軍歴上の最後の地位は兵長。戦後は農業と鹿児島市での会社勤めの両方をこなしていた。
●菓子等:パン10円、饅頭30円、アメ20円、キャラメル20円、ミカン20円、リンゴ20円、菓子30円
◎いずれも個数・単位が不明なのであるが、パンは1個本人用、饅頭以下は数箇単位であろうか、そして家族への土産であろうか。
●交通費:電車賃10円、電車及新聞10円
◎これは鹿児島市電の電車賃で、片道5円、往復10円。すると新聞は5円(地元紙)。
●嗜好品:正中110円、正中225円。
◎銭出納帳以外の記事に180円とあり、110円の焼酎は5合(900cc、225円のそれはは1升(1800cc)であろう。そのつまみとなったのはスルメ5円か。
●嗜好品:記録者はよく煙草代を記す。煙草30円と40円が通常。
◎煙草は紙巻きではなく、袋入りの刻み煙草。使うパイプ40円、キセル90円。他の記事から推するとほぼ月給の10%超が煙に消えている。
●料理用食品:コンブ30円、イリコ39円、ダシエビ40円、ダシザコ50円、春雨110円、カズノコ543円
◎これらは毎日地方から鹿児島市に出ていたので、家人に頼まれて買って帰った品々であろう。
●その他:マッチ2円、風呂賃10円、石ケン20円、電球40円、床屋賃60円、幼児用クツ165円、下駄250円、オカズ魚10円、ニツケ20円
◎風呂賃は鹿児島市の大人1名分、電球40円は他の記事に「10円」とあるので「4個」分の値段。オカズ魚とニツケ(煮付け)は弁当ための惣菜である。ほかの記事には「ウドン10円」とある。
▲画像は姶良市の私が一番先に咲くと思っている桜。これ以外の市内の桜の状況は22日現在、あの靖国神社レベル。写真の日付が1日ズレている。今慌ててニコンの日時設定をやり直した。